ハンドドリップを練習し始めると、一度は聞いたことがあるキーワード。
“の”の字を描くようにお湯をかけましょう。
“500円玉”を描くように丸を描きましょう。
よく聞くキーワードですよね。
なぜ、”の”の字や”500円玉”を描く必要があるのでしょうか?
イメージしやすくなるように、”の”の字や”500円玉”に喩えているだけではありますが、ちゃんと理由はあります。
コーヒーをドリップするときに”の”の字を描く理由
ゆっくり注ぐためだとか、気持ちを込めるためとか。
別に”の”じゃなくてもいいとか。
諸説ありますが、一番の理由は
同じ場所に何度もお湯をかけないようにするため
です。

なぜ”の”の字を描くようにと言われるようになったかの発祥については私も分かりませんが、理由は「同じところに注ぎ続けてはいけないから」です。
コーヒーを淹れるということは、コーヒーの成分をお湯に移すということです。
同じところに連続してお湯を注ぎ過ぎてしまうと、粉に抽出すべき成分がない状態で次のお湯が粉の表面を洗い流すことになります。
そのため、淹れたコーヒーは薄くなってしまうんですね。
だからこそ、「同じところにお湯を注ぎすぎない」 注ぎ方が重要になり、分かりやすく説明するように”の”の字や”500円玉”に喩えるようになったのでしょう。
コーヒーのドリップの仕方によっては”の”の字は必要ない?
さて、”の”の字を描く注ぎ方ですが、注ぎ方によっては必要ないです。
それは湯溜まりができるような注ぎ方のとき。
湯溜まりができるとは、ドリッパー内にお湯がタプタプになるような時ですね。
お湯が溜まっているので、湯溜まりといいます。

ドリッパーの種類や、湯量によって湯溜まりができる場合があります。
湯溜まりができているときは、お湯がコーヒーの粉に満遍なく接している状態なので、過剰に同じところにお湯を注ぎ過ぎさえしなければ、特に”の”の字にこだわる必要はないです。
そのため、お湯を注ぐときのポットも、注ぎ口が細いドリップポットである必要もなく、ヤカンでもお茶の急須でも、なんなら鍋でもいいです。
えー、と思うかもしれませんが、意外とみなさん普段はそうやって淹れているのではないでしょうか?
イメージしやすいのは、カップに直接被せるドリップバッグを淹れているとき。

ドリップバッグは、”の”の字にこだわらなくても簡単に淹れられるようになっています。
湯溜まりに近い淹れ方ですよね。
おそらくケトルから直接淹れている方が大半だと思います。
湯溜まりを利用した淹れ方は、技量に関わらず安定した味になるので初心者でも美味しくコーヒーを淹れることができます。
湯溜まりを利用した器具に『クレバー』というものがあります。
下のクレバーのドリップポットを使った淹れ方は簡単なので、初心者やちょっとした業務用としてもおすすめですよ。
たまにカフェやレストランでも使っています。
関連記事>>>【Clever(クレバー)コーヒードリッパー】浸漬式といえば
湯溜まりをしないドリップなら”の”の字は重要
湯溜まりするなら、”の”の字は必要ないと言いました。
しかし、逆に湯溜まりができない淹れ方の場合は、”の”の字や”500円玉”のように、常に違う場所にお湯を注ぐ必要があります。
お湯の注ぎ方次第で、大きく味が変わってしまうからです。
じゃあ、湯溜まりする淹れ方でいいじゃんと思うかもしれませんが、湯溜まりをしない淹れ方にした方がクリアな味わいを出しやすくなります。
技量次第で味も変わってきますね。

湯溜まりができないような注ぎ方をする場合には、コーヒー専用のドリップポットはあった方がいいです。
コーヒー用のドリップポットは調理器具のコーナーで販売されておりネットでも購入することができますね。
ドリップポットを使うとどこにどの程度のお湯を注ぐかをコントロールしやすくなります。
しかし、意外と種類が多く、ものによって大きく使い勝手が異なります。
選ぶにもいくつかポイントがあります。
過去にまとめた記事があるので、ご参考ください。