ハンドドリップで、コーヒーを淹れるときに必要な器具がコーヒードリッパー。
コーヒーの粉を入れる穴が空いている器具のこと。
ハンドドリップでは、コーヒーの粉をドリッパーに入れて、そこにお湯を注ぐことでコーヒーが抽出する。

コーヒーを淹れる時にまず検討するのが、ドリッパーでしょう。
でも、ドリッパーとひと口で言っても、その種類は様々。
ステンレスのものがれば、ガラスのものもあり、陶器のものもある。
形もみんな一緒のようで、実は違っていて円錐形や台形、ウェーブ型など様々。
毎年新しい形状のものも生まれるから、何種類あるかなんてもうわからない。
今回は、そんな種類が多いコーヒードリッパーの選び方とおすすめについて。
コーヒードリッパーの違いは?
さて、いろんな種類のドリッパーがある訳だけど、
一番大きな違いは、濾過速度の違い
フィルターの違いだったり、素材の違いだったり、形状の違いだったり、いろいろ違いはあるけども。
何が違うのかと言われれば、濾過速度が違う。
濾過速度が違うから、コーヒーを淹れたときに味に違いがでている。

じゃあ、なんで濾過速度が違うのか。
それは、コーヒーが抽出される抽出穴の総面積の大きさが違うから。
ドリッパーの穴の数や大きさが違うと、同じようにお湯を注いでいるつもりでも濾過速度が変わってくる。
たとえば、穴の面積が大きかったり、穴の数が多いと、濾過速度は当然早くなる。
濾過速度が早ければ早いほど、注いだお湯はすぐに落ちていく。
その結果、抽出時間は短くなるよね。
逆に、穴が小さかったり、穴の数が少ないと濾過速度は遅くなる。
濾過速度が遅いと、注いだお湯はドリッパーの中に長く滞留することになる。
そして、結果として必然的に抽出時間は長くなる。
この抽出時間の差が、味の違いとなって顕著に現れることになる。

ちなみに、どっちが良い、悪いということはないんだよね。
それぞれ一長一短があり、味の系統も変わってくる。
自分の好みの味になりやすいものを使うのがおすすめ。
食後の口直しに爽やかなものが飲みたい時は濾過速度が早いもの、仕事で疲れた時にガツンとしたものが飲みたい時は濾過速度が遅いものを使うとかね。
コーヒードリッパーの選び方
コーヒードリッパーは、濾過速度が大きな違い。
濾過速度が遅いドリッパーと濾過速度の早いドリッパー、どちらを選ぶべきなのか。
ポイントは、技術力とどんな味が好きか。
濾過速度が遅いドリッパーの場合
濾過速度が遅いドリッパーは、安定して味が入りやすいドリッパー。
濾過速度が遅いドリッパーとは、ドリッパーの穴の面積が小さいもののこと。
コーヒーが抜け落ちていくスペースが小さいほど、濾過は遅くなっていく。
一つ穴のものや、台形でも穴が小さいもの。
濾過速度が遅いドリッパーでは、注いだ湯はドリッパーの中に溜まっていく。
ちなみに、ドリッパー内にお湯が溜まることを「湯溜まりができる」と呼ぶ。
このタイプのドリッパーは、
湯溜まりになった後に、一定の速さで濾過されていくことが特徴。
抽出が湯溜まりの中で起きるために湯の注ぎ方の違いが出にくく、比較的安定したコーヒーが淹れられる。
抽出時間が長くなりがちなため、成分が多く抽出されやすい傾向があるかな。
濾過速度が速いドリッパー
濾過速度が速いドリッパーは、技術力が必要になるけどクリアに入りやすいドリッパー。
濾過速度が早いドリッパーとは、穴の面積が大きいまたは数が多いもののこと。

コーヒーが抜けていく穴の面積が大きいと濾過速度が速くなる。
濾過速度が速いと湯溜まりができにくく、お湯の注ぎ方の影響が大きくなってしまう。
そのため、お湯をどう注ぐかという技術力が必要。
濾過速度が速いドリッパーの場合、湯溜まりができずに注いだところからどんどん抽出されていく。
すると、たくさん注いだ場所は抽出されやすく、少ししか注がなかった場所はあまり抽出されない。
つまり、成分の抽出ムラができ、これが味のムラにつながってしまう。
ドリップをするときの注意点で、よく「ドリッパーの縁の近くにあまり湯を注いではいけない」と言われるよね。
それは、味にムラができてしまうから。
粉の層の厚い中央部と、粉の層の薄い周辺部とに同じように湯を注ぐと、周辺部は抽出されすぎることになってしまう。
結果、バラつきのある味わいになってしまいがち。