コーヒーの風味は豆が生産させた国や地域、あるいは焙煎度によって変わります。
その違いをストレートに味わうのも楽しみ方の一つですが、風味の異なる豆を組み合わせて新しい味をつくることも楽しみ方のひとつです。
ブレンドの目的はさまざまですが、プロかアマチュアかでも違ってくると思います。
プロのブレンドの目的
プロの場合、ある人にとってのブレンドの目的は、ロースターとしての独自性を出すことでしょう。
また、ある人にとっては単一のコーヒーでは出せない味を出すことやコストパフォーマンスをあげることが目的となるでしょう。
いずれにせよ、プロとしての腕の見せどころです。
プロのブレンド作りには、コンセプトや顧客ニーズに応じていろいろな注意点が出てきます。
例えば、安定した味づくりが求められる場合には、収穫期の異なる産地のものをいくつか配合したり、通年で安定した収穫量のあるコロンビアなどをベースにしたり、あるいはあえて収穫後時間がたって味の変化が少なくなったもので配合をまとめたり、配合の主軸となる豆の味を保つために生豆を低温輸送・定温管理したりします。
スーパーなど量販店向けのブレンドであれば、価格が重要な要素になりますので、割安感のある原料を選ぶなどしてコストパフォーマンスを上げることがポイントになります。
対面販売の場合には見栄えも大切ですから、大粒の豆を選択したり、色ムラが激しく出ないようにブレンドする豆の焙煎度をある程度揃えたりすることに気を使います。
つまり、プロとしてブレンドを作っていく場合には、生豆に関する知識(産地規格、入港時期、品質、価格など)、焙煎豆に関する知識(味の特徴など)、市場に関する知識などが必要になります。
その他、粉砕、包装、保存の知識、さらには表示にかかわる食品衛生法、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)、計量法、景品表示法など法律に関する知識も必要です。
生豆(ニュークロップ)の入港時期
生豆の生産国・生産地域・銘柄 | 日本への入港時期 |
ブラジル | 10〜6月 |
コロンビア | 通年 |
ペルー | 7〜12月 |
中米 | 1〜7月 |
エチオピア | 1〜7月 |
タンザニア | 2〜8月 |
マンデリン(インドネシア) | 1〜5月 |
アマチュアのブレンドの目的
アマチュアの場合、味作りがブレンドの目的となることが多いと思います。
数種類の焙煎豆があれば、それを自由に組み合わせて自分だけの味を作ることができます。
2種類を合わせるだけでも風味は複雑化して立体感が出てきますので、単品では味わえないコーヒーの魅力を実感できると思います。