コーヒーの果実(コーヒーチェリー)は楕円形で、花が落ちた直後はマッチ棒程度の大きさですが、6〜8ヶ月間かけて少しずつ大きくなっていきます。
収穫時の大きさは栽培環境や品種によって異なりますが、アラビカ種の場合は長さ1.5cm〜2cm程度、断面の直径1~1.5cm程度で、カネフォラ種はそれよりもやや小さめになります。
果実は成熟の過程で赤く(品種によっては黄色く)色づいていき、完熟期を迎える頃には果肉が柔らかくなります。
果肉は肉厚ではありませんが、甘味があり、収穫を手伝う子供たちが口に放り込む姿を見かけることもあります。
果肉を取り除くと薄い殻に覆われた種子があらわれます。
この薄い殻のことをパーチメントといい、薄いからに覆われた状態の種子をパーチメントコーヒーと呼びます。
パーチメントの表面にはぬめりが付着しており、このぬめりをミューシレージといいます。
コーヒーの種子を取り出すには、果肉、ミューシレージ、パーチメントを取り除かなければならないことになります。
コーヒーの種子のほとんどは、果実の2つ向かい合うようにして育ちます。
だからコーヒー 豆が片面が平になるのです。
この片面が平らな種子をフラットビーンといいます。
一方、一部の種子(全体の5~20%程度)は、1つの果実の中に1つ位いう状態で育ちます。
これは受精じにあるいは環境的な要因で片方の生長が著しく悪い場合に起こります。
この場合は種子は平になることなく丸くなり、この丸い種子をピーベリーといいます。
ピーベリーは選別工程(大きさを揃えたり、品質上好ましくない豆を取り除いたりする工程)でフラットビーンと分けることができ、希少性があるためにしばしばフラットビーンと区別して売られています。
ブラジル、ブルーマウンテンなどのピーベリーが有名で、フラットビーンよりもやや高い価格で売られています。
でも、生産農家にとっては、本来一つの果実から二つぶの豆ができるはずが一粒しかできないことになりますので、生産量が落ちることになり、あまり有難い存在ではないようです。