コーヒーの生豆には水分が9~13 %程度含まれていますが、水分はコーヒーの味や香りを大きく変えるものではありません。
これから紹介する成分の含有率は、無水物換算値といって、乾燥機の生豆に含まれる成分比率になります。
この比率の違いがコーヒーの風味に大きな影響を与えます。
多糖類
生豆に含まれる成分で一番多いのは多糖類で、35〜45%程度含まれます。
糖といっても甘いわけではなく、植物の骨格を作っている繊維などを指しています。
多糖類の含有率は、アラビカ種とカネフォラ種で明確な違いはありません。
タンパク質
タンパク質の含有率は12%程度です。
タンパク質も多糖類と同様に、植物の骨格を作っている成分です。
これもアラビカ種とカネフォラ種で明確な数値の違いはありません。
脂質
コーヒーの生豆には脂質も含まれています。
コーヒーの脂質はリノール酸、パルミチン酸などの油脂から構成され、油脂の総量をで見ると、アラビカ種では多いもので20%程度、カネフォラ種では最大で10%程度です。
少糖類(ショ糖など)
ショ糖(砂糖のことです)などの少糖類の含有率は、アラビカ種では多ければ10%程度になり、カネフォラ種では3〜7%程度です。
クロロゲン酸類
クロロゲン酸類はアラビカ種で5〜8%程度、カネフォラ種で7〜11%程度含まれています。
クロロゲン酸類にはいろいろな仲間があり、カネフォラ種にしか含まれていないクロロゲン酸類の仲間もあります。
酸(クロロゲン酸類意外)
クロロゲン酸類意外にも、クエン酸、リンゴ酸、キナ酸、リン酸など、総量にすると最大で2%程度の酸が含まれています。
カフェイン
カフェインは、アラビカ種では0.9%〜1.4%くらい含まれいます。
カネフォラ種の場合は2%以上が一般的で、多い場合は3%を超えることもあります。
アミノ酸
アミノ酸の含有率は1〜2%です。
コーヒーの生豆に含まれるアミノ酸には、アスパラギン酸、グルタミン酸などいくつかあり、アラビカ種とカネフォラ種ではどのアミノ酸がどの程度含まれいるかに違いが見られます。
こうした成分のうち、アミノ酸、少糖類、クロロゲン酸類の含有率の違いは、アラビカ種とカネフォラ種の焙煎時の色づき方の違いや風味の違いにも大きく影響しています。
成分の含有率は産地によっても違いますし、栽培環境(標高、降水量、気温、施肥量)、さらには精選方オフによっても変わってきます。
私たちがコーヒーを飲んだときに感じる風味の違いは、このような成分の違いの影響を大きく受けているのです。