コーヒーの品種について

コーヒーの品種について話しておこうかなと。

コーヒーは植物なので、ちゃんと品種があります。
たとえば、アラビカとか、ロブスタ、ティピカとかね。

品種の名前がそのまま商品名として使われていたり、大きく主張して広告にされていたりしますよね。
「アラビカ100%!」、「ティピカ配合!」とか。

そんなに品種について詳しくないと「なんのこと?」と思う人もいるのではないでしょうか。
わざわざ主張されているぐらいだから美味しいんだろうなあと思ってしまったり。

しかし、実際には、品種だけでコーヒーの味は決まりません。
品種は風味の参考にはなりますけど、ティピカだから美味しい、ゲイシャだから美味しいということはないです。

過度な品種信仰をみると、個人的にはちょっとなあと思います。

コーヒーは農業ですので、結局のところ品種だけでなく、土壌や栽培方法、精選方法、輸送方法、保管方法など、あらゆる要素が重ねって味が決まります。

品種だけでなく、農園の努力、商社の努力、焙煎士の努力、バリスタの努力という裏にいる人の努力が、味に影響するんです。

だからこそ、品種ではなく誰から買うのかというのも重視した方が美味しいコーヒーが飲めます。
道の駅でやっているような農業の直販と一緒ですね。
品種だけで判断するのではなく、どのような人が作って販売しているのかが重要なんです。

そういった人の努力というのは、目に見えなくても商品にでますから。
実際に目で見て、飲み比べてみると思っていた以上に違いが出ていることに驚きますよ。

コーヒーは植物


さて、品種の話に戻します。

日本には農園がほとんどないので、あまり馴染みはないですが、もともとコーヒーは木になる果実。

れっきとした植物なんですね。
そのため植物学的にちゃんと名前もあり、『コーヒーノキ』といいます。

ギャグのようですが、コーヒーが採れるのでコーヒーノキです。
覚えやすいですよね。
ちなみに、学名は『Coffea』といいます。

果実が熟すとしたの写真のように、赤く熟すことが特徴です。

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この赤い果実が「かんざし」のように見えることから、漢字で「珈琲」と名付けられました。

珈琲の「珈」は、髪飾りという意味。
珈琲の「琲」は、つらぬくという意味。

たしかに髪飾りみたい。
よくできた漢字ですよね。

写真の果実の種子を取り出し、それを煎った物が、よくカフェで見かける茶色のコーヒー豆です。

ちなみに、果実とはいっても、中身はほとんど種。
果肉の部分はとても薄く、ほとんどありません。

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ほとんど果肉がないので、食用として普及はしていません。

食べてみると、果肉の部分は、甘めで、さくらんぼの表面だけ食べているような味。
農園では、収穫を手伝っている少年がよくつまみ食いしていたりします。

他にも、ハワイのコナでは、果肉の部分を集めて『コナレッド』という商品名でジュースにしています。

こちらです。

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クランベリージュースのような味で色も赤いジュース。

保管や加工が難しいので、ハワイのような先進国じゃないと難しんですよね。
ハワイに行った際はぜひ飲んでみてください。

コーヒーの品種について

コーヒーは植物なので、名前があるという話しをしました。
「コーヒーノキ」ですね。

正式名称は、被子植物門双子葉植物網アカネ目アカネ科コーヒーノキ。

このコーヒーノキ属に分類される植物はなんと70種くらいあると言われています。
くらいというのは、現在進行形で増えたり減ったりしているから。

品種改良や探索で、新たな品種が見つかることも多いんです。
環境の変化で絶滅してしまうこともあります。

70種あるコーヒーの種ですが、日本で主に流通している種はアラビカ種とカネフォラ種だけです。
意外と流通している種は少ないんです。

ちなみに、「品種」と「種」は別のことですよ。
「品種」が「種」の下位の分類です。
たとえば、品種:アラビカ種ティピカという風に呼びます。

アラビカ種ティピカというのは間違いです。

アラビカ種

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アラビカ種は、よく聞く品種ですよね。
現在生産されているコーヒーの約65%はアラビカ種です。

味が美味しい品種が多いので、コンビニや缶コーヒーでも、アラビカが入っていると注目されます。

アラビカ種の中に、さらにティピカやブルボンなど多くの品種があります。

ティピカやブルボンは、すごく飲みやすい味わいで広く好まれる風味ですよね。
最近、流行りのゲイシャもアラビカ種で、独特の風味があることで人気です。

おいしい品種が多いアラビカですが、病気に弱いという致命的な弱点があります。

実は、気候の変化や病害にデリケートな品種なんです。

あまり農園にいく機会がないと病気といわれてもピンとこないかもしれませんが、コーヒー栽培は病気と害虫との激しい戦いです。

少し虫食いがあるだけでも、あっという間に流行してしまいます。
それこそ新型コロナウイルスのときのように、感染拡大しないように入国制限がされるほど。

衣服に虫や菌がついている場合があるので、靴裏まで殺菌をしたり、着替えをすべて捨てて入国しなくてはいけない場合もあります。

それだけ大変な病気との害虫との闘い。
病気や虫を殺すだけでなく、病気に強い木を育てたいと思うのは当然の流れですよね。

病気が流行してから生産量が増えてきたのが、カネフォラ種です。

カネフォラ種

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アラビカ種に次いで流通量が多いのが、カネフォラ種。
カネフォラ種と言われても、「へ〜」と言った感じでピンとこない人も多いかもしれません。

カネフォラ種とは、いわゆるロブスタのことです。

実は、ロブスタはカネフォラ種の品種の一つにすぎないんですよね。
しかし、あまりに知名度が高く、カネフォラ種の代名詞のようになってしまいました。

カネフォラ種は、現在生産されているコーヒーの35%程度を占めています。
アラビカ種と合わせると、ほぼ100%です。

強い苦味を特徴に持つコーヒーで、あまり好まれる味ではありません。
しかし、極めて耐病性が高く、ブレンドとして使われるパターンが多いです。

ちなみに、ロブスタ(Robusta)の語源は英語で「強健な」を意味する”robust”に由来すると言われています。

1900年頃、アラビカ種の病気の問題が深刻化しました。
カネフォラ種が急激に増えたのも、この時期からです。

次第にカネフォラ種の生産量も増え続け、比例して流通量も増えています。

ただし、カネフォラ種は、病気に強く低コストで育てられることが特徴ですが、味は苦味が強く受け入れられにくいものでした。

病気に強くても美味しくないんじゃ売れないですからね。
そのため、病気に強いアラビカ種の研究や、害虫駆除の栽培方法などが日々研究されています。

アラビカとカネフォラのハイブリッド

ハイブリッドというのは、異質なものを組み合わせて作ること。
たとえば、ガソリンと電気の組み合わせで走る自動車、ハイブリッドカーとかもそう。

食物の分野だと、種なしのぶどうや、スイカは身近ですね。
食べやすくなるようにと開発された品種です。

コーヒーも同様で、どうにかアラビカのおいしさを残したまま、カネフォラの耐病性を持たせられないかと思って開発されたのがハイブリッド。

本来、植物のハイブリッドとは交雑させたもの全般を指します。
しかし、コーヒーの場合日本では、アラビカ種とそれ以外の種を交雑させたものを意味する場合がほとんど。

アラビカ種とカネフォラ種を交雑させたのがもっとも多いですね。
当然、アラビカ種の病害虫に対する弱さを、丈夫なカネフォラ種で補おうとういう狙いがあってのことです。

そういったハイブリッドが近年、増えてきました。

まだ味よりも、収穫量や耐病性が重視されているものが多いので、そこまで普及はしていませんが、次第に味もついてくればと期待されています。

とまあ、コーヒーの品種について解説してきました。
品種は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると新しい品種が出てきた時とかに、わくわくしますよ。

品種違いでコーヒーを楽しむのは、ブレンドや焙煎で味が変わときとは、また違った楽しみがありますね。

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