フラットカッターは業務用、家庭用の両方で普及している電動式のミルです。
業務用としては一番普及しているミルではないでしょうか。
フラットカッターの歯には、セラミックス製のものと金属製のものがあります。
金属製のも歯には鋳造してあり丸みを帯びたものと、鋭く切削加工したものとがあります。
このような歯の違いは、粉の形状や均一性(粒揃い)の違いにつながります。
また、フラットカッターには歯が縦についているものと横についているものがあり、これも粉の形状や均一性に影響を与えます。
フラットカッターは、さまざまなメーカーが製貧を作っており、歯の材質、形状、位置の組み合わせは多岐にわたります。
ですから、製品による粉の形状や均一性のばらつきが非常に大きい点が特徴的です。
家庭用と業務用を比較すると、業務用の方が高価で、頑丈さ、粉砕速度などの点で家庭用より優れています。
ただ、これまでにいろいろな製品のデータをとりましたが、両者に粉の均一性での優劣はありません。
それよりも歯の位置の影響の方が大きいようです。
歯が横についているものは微粉が多くなる傾向があ流ように感じます。
フラットカッターを語る際に、丸みのある歯を臼タイプ、鋭い歯をカットタイプと分類し、臼タイプよりもカットタイプの方が摩擦熱が少なく優れているというような話が展開されることも少なくありません。
これは少々乱暴な話です。
たしかに歯の形状が変わると風味の印象が変わります。
ただし多くの場合、これは粉の均一性の違いによると考えられます。
均一性が変わると粉の表面積が変わりますので、当然、粉からの香りの強さや淹れたコーヒーの濃度が変わります。
ミルを比較する場合は、粉の表面積を同程度に揃えなければ、比較自体が成り立たないのです。
目視で粉の大きさを揃えるくらいでは表面積を合わせることはできません。
この状態で比較して、風味の差を摩擦熱の一言で片付けてしまうのは臼タイプがかわいそうです。
個人的には10分間を超える連続粉砕をしない限りは、摩擦熱の影響はないと考えています。
なぜなら、粉の表面積を揃えてみると、淹れたコーヒーの特性は同等になりますし、香りの成分にも差が見られないからです。