コーヒー豆に含まれている成分の中で、水分ほど誤解されているものんもないかもしれません。
昔からいろいろなことがいわれています。
「水分が多い=新鮮」とか」、「水分が多い=生豆の青みが強い」とか、さらには「生豆の青みが強い=新鮮」とまで、どれも間違いです。
水分が多い=新鮮?
生豆の水分がただ単純に減っていくのであれば、「水分が多い=新鮮」は正しいことになりますが、実際には減ることもあれば増えることもあります。
イメージとしては木材と一緒です。
生豆の周りの湿度が高ければ生豆は吸湿し、その水分は増えていきます。
逆に、周りの湿度が低ければ生豆から生豆から水分が抜けていきます。
保管している場所が同じでも、梅雨時には水分が増えていきますし、冬場には水分が減少していきます。
また、産地での影響もあります。
出来立ての生豆の水分含有率の平均値は、産地によって3~4%は変わります。
水分が多い=生豆の青みが強い?
これについては、精選後あまり時間が経っていない生豆を同じ産地のもの同士で比較する場合には、ある程度の目安になります。
ただし、この条件で生豆を比較できる環境にある人はかなり限られると思います。
この条件を外してしまうと比較は困難です。
なぜなら、生豆の水分含有率は精選方法の影響を受ける上、産地による違いなどもあるからです。
アフリカのコーヒーであれば、水分含有率10%以下のものでも青々としたものがありますが、中米のコーヒーであれば、水分含有率12~13%程度なければ青みを感じないことが多いのです。
青みが強い=新鮮?
これは論理として破綻しています。
AならB、AならCの時にBならCというのは成り立たないからです。
朝になるとお腹が空く。
朝になると会社にいく。
したがって「お腹が空くと会社に行くのである」と言っているのと同じです。
水分はコーヒーの味に直接影響を与えるような成分ではありません。
また、生豆の色についても同じです。
これらの要素はあまりに気にされすぎだと思います。
二次的な要素でせっかくのコーヒーの評価が下がってしますのは、とてももったいないです。