スタバをはじめとしたシアトル系エスプレッソの流行で、エスプレッソが随分と身近な飲み物になりました。
カフェやコンビニでエスプレッソやラテが気軽に飲めるようになりましたね。
家庭でエスプレッソやカフェラテが飲みたいという方も多いのではないでしょうか。
最初に結論から言ってしまうと
プロ並のエスプレッソを家庭で淹れるのは難しいです。
ハンドドリップや、サイフォン、フレンチプレスならば、道具や技術次第でプロ並の味は可能なのです。
でも、エスプレッソは難しいんですよね。
難しい理由にはエスプレッソの抽出原理が影響しています。
家庭でエスプレッソを淹れるのが難しい理由

家庭でエスプレッソを淹れるのが難しい理由は、
気圧が足りないからです。
エスプレッソの抽出原理は高温・高気圧・短時間であるということ。
『90℃、9気圧、30秒』がポイントです。
90℃の高温で9気圧の圧力をかけて30秒程度で、少量のコーヒーを淹れることをエスプレッソといいます。
高温と短時間の部分はどうにかなりますが、高気圧は家庭ではなかなか再現できません。
とはいっても、「家庭用のエスプレッソとかあるじゃん!」
と言われるかもしれませんが、ちょっと待ってくださいね。
ちゃんと理由があります。
モカポットはエスプレッソではない?
家庭でエスプレッソを淹れる方法として浮かぶのが、家庭用エスプレッソマシンか、モカポットではないでしょうか?
モカポットとは、下の写真のようなもののことで、家庭用のエスプレッソ抽出器として有名です。
粉とお湯を淹れて、直火にかけることでエスプレッソをつくるんですよね。
エスプレッソメーカーとも呼ばれます。

モカポットは、フィルターを入れた密閉した容器中で沸騰したお湯で極細挽きにしたコーヒーの粉の層を通過させることでコーヒーの成分を抽出します。
使用するコーヒーの粉は、エスプレッソと同じく極細に挽いた粉を使用しますね。
内部には、エスプレッソマシンで使用するようなフィルターがあり、そこに粉を詰めて高温のお湯を淹れます。
そのため、モカポットで淹れたコーヒーも一般的に「エスプレッソ」と呼ばれます。
ただし、モカポット の場合は、コーヒーの粉にかかる圧力は1.5気圧程度です。
とても圧力が低いので、エスプレッソの抽出原理には当てはまりません。
どちらかというとドリップコーヒーに近い淹れ方になんですよね。
モカポットでエスプレッソを淹れるときに注意すること

モカポットは圧力が低いため、どちらかというとドリップコーヒーに近い淹れ方です。
そのため、ドリップコーヒーと同じ抽出原理が働いてしまいます。
例えば、コーヒーの粉が細かすぎて味が重たくなったり、お湯の温度が高すぎることで苦味が増したりと。
完全に当てはまりますね。
そのため、モカポットで淹れるコーヒーは、エスプレッソというよりは、めちゃくちゃ重いエスプレッソ風のコーヒーというわけです。
粉が細かいかつ高温のお湯で苦味が抽出されやすく、重たい味になりがちなんですね。
とはいえ、ミルクで割って飲むと割り切れば、美味しくないわけではありません。
そのままエスプレッソとして飲むよりは、牛乳で割った方が美味しく飲めますよ。
家庭用エスプレッソマシンはどうなの?

家庭用のエスプレッソマシンも普及していますよね。
デロンギだったり、国産でもパナソニックだったりとあります。
一概に家庭用のエスプレッソマシンは全部ダメというわけではないです。
しかし、圧力の問題はモカポットと同じで、家庭用だとなかなか圧力が上がらないことが多いです。
どうしても圧力が低いと、モカポットと同じくエスプレッソの抽出原理が働かず、ドリップコーヒーに近い抽出原理になってしまいます。
逆にいえば、9気圧程の圧力がかけられる機種ならば、本格的なエスプレッソを楽しむことができます。
そのため、
エスプレッソマシンを選ぶ時に注目すべきは圧力の高さです。
できる限り9気圧に近いマシンを選びましょう。
ただし、お店で使用しているようなマシンと違って、家庭用はボイラーが小さいので、連続して淹れることは難しいです。
連続抽出をするときは気をつけてくださいね。