コーヒーを淹れる方法って、いろいろな方法がありますよね。
ハンドドリップ、サイフォン、コーヒーメーカー、フレンチプレスにエスプレッソ。
様々な淹れ方があり、淹れる方法によって味も変わってきます。
しかし、同じ淹れ方でも味が毎回変わってしまうことはありませんか?
特にハンドドリップは、意外と技術力が必要で、同じようにやっているはずが毎回違う味になってしまいがちです。
どうして、味が毎回変わってしまうのか。
それには、3つの要素が関係しています。
コーヒーを淹れる時に大切な3つの要素
①お湯の温度
②抽出時間
③コーヒーの粉の粒度(大きさ)
この3つの要素が変わると、同じ淹れ方をしているつもりでも、大きく味が変わっていきます。
一つずつ説明していきますね。
コーヒーの味が決まる方法

そもそもコーヒーを淹れるということは、コーヒー豆に含まれているコーヒーの成分を抜き出してお湯に移していくということです。
これをコーヒーを抽出すると言います。
そのため、コーヒー豆自体にもともとある成分次第で味は大きく変わっていきます。
苦味成分の多い豆を使えば、苦味が強く出やすくなりますし、酸味成分の多い豆を使えば、酸味が強く出やすくなります。
苦味や酸味といった成分の総量は、原料のコーヒー豆次第で変わってきます。
総量が多い豆を使えば、コクがある味わいになりますし、総量が少ないと余韻が続かない軽いコーヒーになります。
これが、『コーヒーの味は原料が9割』と言われる理由です。
原料の善し悪しは、とても大切なんですね。
どのような生豆が使われ、焙煎時に豆の温度がどのように仕上がっていたか、そうして焙煎された豆がどのようにブレンドされたのかによって、原料の味が決まります。

でも、同じ原料を使えばいつでもコーヒーの味が同じになるわけではありません。
コーヒーは淹れ方で味が変わります。
コーヒーを淹れるということは、そのコーヒー豆に含まれている成分を抽出する量を調整して、バランス良く取り出す作業です。
このバランスが悪いと、苦くなったり酸っぱくなったり、濃くなったり薄くなったりします。
原料の味が決まっていたとしても、淹れ方によってどのぐらい取り出すかが決まってしまうからです。
例えば、同じ素材を使っても、ミシュランに載るような一流料理店のシェフと、初めて料理をする人とでは、味が全然違うようになるのと同じで。
素材の良さをどう出すかが、淹れ方によって決まります。
コーヒーを淹れ時に大切な3つの要素
それでは、素材の良さを出すためには、どのような点に注意すれば良いのでしょか。
それが、コーヒーを淹れる時に大切な3つの要素です。
コーヒーを淹れる時に大切な3つの要素
①お湯の温度
②抽出時間
③コーヒーの粉の粒度(大きさ)
お湯の温度
お湯の温度とは、コーヒーの粉に触れる時のお湯の温度です。
お湯の温度といわれると、注ぐ湯の温度を気にしがちですが、実際に大切なのは、お湯がコーヒーの粉に接している時の温度です。
言い換えれば、お湯を注がれた時の粉の温度です。
一般的には、お湯の温度を高くすると、味が早く抽出されると言われます。
これは本当で、お湯が高温であるほど、味が早くお湯に移っていきます。
ただ、成分によって、抽出される速度が違います。酸味成分と苦味成分とでは、酸味の方が足が早く、苦味よりも先に抽出されるんです。
そのため、高温にすると酸味がすぐに抽出され、苦味も早く抽出されます。
酸味成分は、多少温度を下げてもすぐに抽出されるので、量自体は変わりませんが、お湯の温度が高くなった分、苦味が多く抽出されます。
結果的に、苦味の比率が増えたコーヒーになります。
対して、お湯の温度を下げると、味の総量が減り、苦味成分の比率も小さくなります。
抽出時間

抽出時間によっても、味が変わってきます。
例えば、抽出時間を長くしても、酸味成分はもともと足が速くすぐ抽出されるので、例えば3分後と5分後でも抽出される量に大差はありません。
なぜなら、3分後の時点でほぼ全量抽出されちゃっているからです。
しかし、苦味成分は足が遅くゆっくり抽出されます。
そのため、抽出時間が3分後と5分後とでは、味に大きく差が出ます。
つまり抽出時間が長くなるにつれて、苦味成分も多く抽出されるようになるので、苦味成分の比率が大きくなるんです。
逆に、抽出時間が短すぎると、苦味成分がほとんど抽出されず、酸味成分の比率が大きいコーヒーになります。
コーヒーの粉の粒度(大きさ)

コーヒーの粉の一つ一つの大きさのことを、粒の度合いで粒度(りゅうど)と言います。
コーヒーの粉の挽き具合を表している数値です。
よく極細挽きとか中挽き、粗挽きとか言いますよね。
コーヒーは、淹れ方によって、粒度を使い分けることで味を調整しています。
このコーヒー の粉度ですが、細かく挽くほど、粉の奥にある成分が抽出されやすくなります。
というのも、細かく挽けば小さくなるので、お湯が浸透しやすくなるからです。
小さければ小さいほど、コーヒーの成分がお湯にたどり着きやすくなるんですね。

酸味成分は、粉の粒度が違っても、もともとすぐに抽出されます。
多少大きさが変わった程度では、そんなに大差はないです。
ただ苦味成分はそうはいきません。
粉の大きさが細かくなるにつれて、苦味成分も抽出されやすくなり、比率が大きくなります。
そのため、粉の粒度が大きければ大きいほど酸味成分の比率が多いコーヒーとなり、粉の粒度が小さければ小さいほど苦味成分の比率が大きいコーヒーになります。
酸味成分と苦味成分のバランスを決める方法
3つの要素によって、味が大きく変わってしまうことが分かりました。
それでは、酸味と苦味の比率はどのくらいがバランスがいいのでしょうか。
それは、ぶっちゃけ好みの問題です。
苦味が好きなら苦くすればいいし、酸味が好きなら酸味を増やせばいいと思います。
自分の好きなように飲むのが良いでしょう。

とはいえ、どうやって探せばいいのかわからないと思いますので、探し方を紹介しますね。
3つの要素のうち2つを固定して、探すと自分のベストポイントが見つかりやすいです。
一番簡単なのは、粒度と時間を固定して、温度をいじること。
まずは温度を1度ずついじってみるといいですね。
高温にすると成分が抽出されやすくなり、低温にすると成分が抽出されにくくなります。
特に苦味成分の抽出スピードには影響が出るので、高温ほど苦くなりやすく、低温ほど酸味が出やすくなります。
粒度をいじりたいところですが、粒度をいじると時間も変わってきて両方調整する必要があります。
なので、粒度はひとまず置いておき、まずは温度と豆の量をいじるとよいですよ。