消費者の方からときどき尋ねられるこの質問は、私にとって一番うれしい質問です。
コーヒーを美味しく淹れる一番のポイントは、挽きたてにあると考えているからです。
現在、世の中に出回っているコーヒーの7割は粉製品だと思いますが、せめて豆が7割くらいを占めるように変えていきたいと考えています。
せっかくのコーヒーのよさが淹れる前に失われてしまっているのは、とてももったいないことです。
ミルを選ぶ前に考慮すべき点として、予算、用途、目的、使用頻度、大きさ、手入れのしやすさなどが挙げられます。
予算を抑えたい場合、選択肢は手動のコニカルカッターかブレードグラインダーになります。
手動のコニカルカッターはコンパクトで、粉の均一性(粒揃い)に問題はありませんが、挽く手間がかかります。
ブレードグラインダーもコンパクトで、手入れもしやすく、挽く手間もかかりませんが、粉の均一性が低いために安定したおいしさを作ることは難しいのです。
予算に余裕があれば、電動のコニカルカッター、フラットカッターも選択肢に入ります。
電動コニカルカッターやフラットカッターには、ブレードグラインダー2台分くらいの価格のものと、さらにその倍以上の価格のものとがあります。
手入れのしやすさや粉の均一性が製品によって異なりますので、事前にテストするか(親切な店なら対応してくれます)、実際に使っている人の感想をインターネットなどで集めることを強くおすすめします。
特に問題になるのは均一性で、製品によって(特に安価なタイプ)は大量の微粉が発生してコーヒーの味が損なわれることがあります。
これは多くの人がつまずくポイントです。
実は私自身もそうでした。
せっかく美味しいコーヒーを飲むために一歩を踏み出したのに、逆においしくなくなってしまっては、元も子もありません。
同じ質問をプロから受けることもあります。
挽き売り店や喫茶店であれば、主にフラットカッターの中から選ぶことになります。
この場合は、お客様にストレスを与えないように粉砕速度に気を配る必要がありますし、メンテナンスのしやすさなども検討項目になります。
商品によっては、掃除や部品の交換に時間がかかるからです。
また、業務用のエスプレッソマシンに使う場合には、極細挽きを得意とする専用のコニカルカッターが候補になります。
エスプレッソ用の場合は、やはり事前に十分なテストをした方がいいと思います。
エスプレッソは微妙な粉の形や大きさの違いが味に直結しがちだからです。