ロールグラインダーの特徴は、速く、均一に粉砕できることです。
そして粉砕時に発生する摩擦熱も比較的少なく、1時間に1トン以上も粉砕する工業用に最適なミルでもあると言えます。
ロールグラインダーはメーカーによって歯の形状が異なり、それによって粉の形状が変わったり(直方体状の角のあるものと角の取れた球状のものがあります。)、同じ重さの粉で体積が変わったりしますが、いずれも粉砕は速く、他のタイプのミルとは比較できないレベルで均一に挽くことができます。
ロールグラインダーでは、粉砕の家庭で豆とチャフが分離します。
チャフとは生豆を包んでいる薄皮で、一部は生豆の内部に食い込んでいるために粉砕するまで取り除けません。
機種によって、このチャフを回収してチャフのない粉を製造できるタイプと分離したチャフを最後に粉に混ぜ込むタイプがあります。
チャフの有無が味に与える影響について議論されることがありますが、私はどちらのタイプを選んでもコーヒーの風味には大きな影響はないと考えています。
なぜなら、人や機械を使って風味を分析しても、チャフの有無による差が出たことがないからです。
チャフの成分は粉の成分とは違いますが、量が少ないのでその有無が味に影響を与えるほどではないということなのでしょう。
大量粉砕に適したロールグラインダーですが、使用にあたっては注意すべき点があります。
第一の注意点は、長時間粉砕する場合は微調整が必要になることです。
熱の発生が少ないとはいえ、30分も連続して粉砕していると、ロール間の距離がわずかに変わってきます。
第2の注意点は、粉砕速度を管理する必要があることです。
豆を送り込む速度を上げていくと粉の均一性(粒揃い)が落ちます。
均一性を重視するのであれば、メーカー推奨速度の7〜8割を上限と考えた方が無難です。
最近でが、コーヒー専門店や挽き売り店で業務用ミルとしてロールグラインダーを検討する機械も増えているようです。
確かに理想的なミルでもあるのですが、挽き売り店で摩擦熱が問題になるほど引き続けることもないでしょうし、非常に高価なものですから私はおすすめしていません。
粉の均一性はやや落ちますが、フラットカッターで十分ではないでしょうか。